介護休暇・介護休業の取り方|制度の違いと「使える職場・使えない職場」の現実

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「介護休暇や介護休業って、実際に使えるんでしょうか……」

大学病院の相談窓口でも、こんな声を聞くことがあります。制度があることは知っている。でも、職場で言い出せるかどうかは別の話——そう感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、制度の基本をわかりやすく整理したうえで、「使える職場・使いにくい職場」という現実についても正直にお伝えします。あくまで参考として、ご自身の状況に合わせて使えそうな部分を取り入れてみてください。


目次

まず整理「介護休暇」と「介護休業」は何が違う?

混同しやすいこの2つ、用途がまったく異なります。

介護休暇 介護休業
用途 単発・短期の介護 まとまった期間の介護
日数 年5日まで(家族2人以上は10日) 通算93日・3回まで分割可
取得単位 時間・半日・1日単位 まとまった期間
給与 原則無給(会社によって有給) 原則無給+給付金あり
向いている場面 通院付き添い・手続きなど 介護体制を整える期間

簡単にいうと、「介護休暇」は通院の付き添いや介護サービスの手続きなど、単発・短期の用途向け。「介護休業」は、まとまった時間が必要なときや、介護の体制を整えるためにまとめて休む場合に向いています。


介護休暇——年休を使わずに付き添いができる

介護休暇の最大のメリットは、「有給休暇を使わずに介護のための休みが取れる」ことです。

💡 介護休暇でできること(例)
・親の通院・受診への付き添い
・要介護認定の調査への立ち会い
・介護サービスの契約・手続き
・急な体調変化への対応

2021年の法改正で時間単位の取得も可能になりました。たとえば「午前中だけ付き添って、午後から出勤する」という使い方もできます(会社の規定によります)。

給与については原則無給ですが、会社によっては有給扱いにしているところもあります。まず就業規則や人事担当者に確認してみましょう。


介護休業——「67%の給付金」で生活を守りながら休む

介護休業は、まとまった期間(通算93日まで・3回に分割可能)仕事を休める制度です。雇用保険に加入していれば、休業中は「介護休業給付金」として、休業前の賃金のおおむね67%が支給されます(ハローワークへの申請が必要です)。

📋 介護休業給付金を受け取るための主な条件(目安)
・雇用保険に加入していること
・休業開始前の2年間に、一定の被保険者期間があること
・休業後に職場復帰することを前提としていること
※パート・契約社員も対象になる場合があります。詳細はハローワークへ確認を。

「93日」という日数は一見短いように見えますが、介護体制を整えるための期間として使うことが想定されています。デイサービスや訪問介護などのサービスを整え、職場復帰できる環境を作るための時間、というイメージです。


実際に使った3人のケース(職場での実例・参考程度に)

私が働く職場で、実際に介護休暇・介護休業を使ったスタッフがいました。あくまで一例として、参考にしてみてください。

ケース①②:介護休暇で「年休を減らさず」付き添い

50代のスタッフ2人が、それぞれ親の受診に合わせて介護休暇を活用していました。有給休暇を使わずに付き添いができる、というのが大きなメリットだったようです。「こんな制度があるなら早く知りたかった」という声もありました。

ケース③:介護休業3ヶ月で、ゆっくり体制を整えた

別のスタッフは、お母さんを亡くされたあと、お父さんが落ち込んで目が離せない状態になり、3ヶ月の介護休業を取得しました。その期間にゆっくり介護の体制を整えることができ、その後は無理なく職場復帰。今は落ち着いて仕事を続けています。

💡 介護休業が「体制を整える期間」になった例
・父親の状態を見ながら、デイサービスや訪問介護を手配
・必要な手続き(要介護認定・サービス契約など)をじっくり進められた
・焦らず復帰できたことで、長く仕事を続けられている


「制度があっても使えない」職場の現実

正直に言います。介護休暇・介護休業の制度は整っていても、「言い出せる職場かどうか」は別の話です。

これは職場の文化や上司の理解度によって、大きく変わります。「介護休業を取ったら評価が下がるのでは」「迷惑をかけてしまう」——そんな不安を抱えている方も多いと思います。

📌 言い出しやすい職場の特徴
・育休・産休の取得実績がある
・管理職が制度を把握している
・人事担当者に相談しやすい雰囲気がある
・同僚も介護を経験している世代が多い

もし職場に言い出しにくい雰囲気がある場合は、いきなり「休みたい」と言うより、まず「制度について教えてほしい」という形で人事に相談するのが入口として使いやすいかもしれません。


相談できる窓口

制度の詳細や、職場でのトラブルについては、以下の窓口に相談できます。

💡 困ったときの相談先
・ハローワーク:給付金の申請・手続きの詳細
・都道府県労働局・労働基準監督署:職場でのトラブル・権利の侵害
・介護に関すること:地域包括支援センター・ケアマネジャー


まとめ

介護休暇・介護休業は、「知っているだけ」でなく「使える状況を作ること」がポイントです。

制度を使うかどうかは、ご自身の状況・職場の環境・家族の状態によって大きく異なります。この記事はあくまで参考として、まずは職場の就業規則やハローワークに確認することをおすすめします。

「仕事も介護も、どちらも諦めなくていい」——そのための制度が、確かに存在しています。

📌 今日からできること
① 会社の就業規則で介護休暇・介護休業の規定を確認する
② 人事担当者に「制度について聞きたい」と声をかけてみる
③ 給付金の詳細はハローワークに問い合わせる
④ 介護の体制づくりはケアマネジャーに相談する

要介護認定をまだ受けていない方は要介護認定の申請方法をわかりやすく解説、離れて暮らしながら介護されている方は遠距離介護を成功させる方法、介護全体の準備を知りたい方は親の介護準備完全ガイドもあわせてご覧ください。

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