認知症の徘徊対策グッズ3選|GPS・センサー・公的支援を組み合わせて家族の負担を減らす

※本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。

ケアマネジャーをしていた頃、担当していた70代後半のご夫婦がいました。奥さまが認知症で、息子さんは遠方に2人いましたが、ご主人は息子さんに迷惑をかけたくないと、一人で介護を抱えていました。

奥さまはよく外に出てしまい、何度も警察に保護されました。20〜30キロ平気で歩いてしまい、市をまたいで隣の市で保護されることもありました。服に名前と住所を縫い付けたり、自治体の見守りサービスに登録したりと対応しましたが、当時はGPSがなかった時代です。

最初のうちはご主人も気づいたらついて行っていましたが、だんだんと体力的についていけなくなっていきました。最終的に、安全を守るためにグループホームへの入居を選択されました。安全は守られる。でも、自由に外を歩くことはできなくなる——そのときご主人が浮かべた複雑な表情が、今も忘れられません。

あの頃、GPSがあれば——そう今でも思います。でも同時に、グッズだけでは限界があることも、現場で痛感してきました。大学病院の医療相談員として、またケアマネジャーとしての経験から、徘徊対策のグッズと公的支援の組み合わせ方をお伝えします。


目次

認知症の徘徊は「家族だけでは限界」な社会問題

認知症による行方不明者は全国的に増加しており、深刻な社会問題となっています。警察庁のデータによると、認知症やその疑いによる行方不明者は年間1万8千人以上にのぼります(令和4年)。

夜間の徘徊、交通事故、低体温症——一人で外に出てしまうことで、命に関わる危険が生じます。そして、介護する家族にとっても「いつ出ていくかわからない」という緊張状態が続くことで、精神的・体力的な限界が来てしまうのです。

私が担当したご家族のように、「夫が追いかけられなくなって限界が来た」というケースは、決して珍しくありません。

📌 徘徊が危険な理由
・交通事故に巻き込まれるリスク
・夜間の低体温症・熱中症のリスク
・遠くまで歩いてしまい発見が遅れるリスク
・介護者の体力・精神的な限界


まず頼るべき「公的支援・地域の仕組み」

グッズを揃える前に、まず公的な支援の仕組みを使うことが大切です。これらは無料または低コストで使えるものが多く、ケアマネジャーに相談すれば手続きを一緒に進めてもらえます。

①自治体の徘徊SOSネットワーク

多くの自治体では、認知症の方が行方不明になった際に、警察・地域住民・コンビニなどが連携して捜索する「徘徊SOSネットワーク」や「見守りサービス」を提供しています。事前登録が必要なので、まだ徘徊が起きていなくても早めに登録しておくのがおすすめです。

💡 登録しておきたいこと
・自治体の徘徊SOSネットワーク(市区町村の介護保険課・地域包括支援センターに相談)
・警察への事前情報登録(行方不明になった際にすぐ対応してもらえる)
・服や持ち物への名前・住所・連絡先の記載

②ケアマネジャーへの相談

要介護認定を受けて介護サービスを受けるには、ケアマネジャー(介護支援専門員)がつきます。徘徊が始まったら、まずケアマネに相談することが最優先です。

  • 徘徊対策グッズのレンタル・購入の助言
  • デイサービスや訪問介護など、日中の見守り体制の整備
  • グループホームなど施設入居の検討サポート
  • 家族への精神的サポートや介護者支援サービスの紹介

まだ要介護認定を受けていない場合は、まず申請から始めましょう。申請の流れについては要介護認定の申請方法をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。


公的支援と組み合わせて使いたいグッズ3選

公的支援の仕組みを整えたうえで、グッズを組み合わせるとより安心です。特に「出てしまってから居場所を追う」GPS端末と、「出る前に気づく」徘徊検知センサーの2つは、性質が異なるため両方あると心強いです。

①GPS端末——外出先の居場所をリアルタイムで確認

GPS端末は、認知症の方の現在地をスマートフォンでリアルタイムに確認できるグッズです。靴のインソールに入れるタイプや、お守り型など本人が気づかず持ち歩けるタイプもあります。

📋 GPS端末の選び方ポイント
・月額通信費が発生する(目安:500〜1,000円程度/月)
・充電が必要なので充電忘れに注意
・本人が気づかないよう靴・カバン・お守り型のものが使いやすい
・自治体によってはGPS端末購入・通信費の補助制度あり(ケアマネに確認を)

GPS端末は介護保険の対象外のため全額自己負担になりますが、自治体独自の補助制度がある場合があります。ケアマネジャーや地域包括支援センターに確認してみてください。


②徘徊検知センサー——ドア・窓の開閉を検知して知らせる

玄関や窓にセンサーを設置し、開閉を検知してスマートフォンや受信機に通知するグッズです。「出てしまった」後ではなく「出ようとした瞬間」に気づけるのが特長です。

📋 徘徊検知センサーの選び方ポイント
・ドアセンサー型:ドア・窓の開閉を検知(誤作動が少ない)
・人感センサー型:動きを感知(廊下や広い部屋向き)
・スマホ通知型:外出中でも気づける
・受信機チャイム型:自宅内の介護者に音で知らせる

徘徊検知センサーの一部は介護保険の「福祉用具貸与」の対象になる場合があります(要介護2以上が目安)。購入前にケアマネジャーに確認することをおすすめします。

SwitchBot 開閉センサー(Amazon)

③センサーライト——夜間の動きを検知して明るくする

夜間の徘徊は特に危険です。暗い中での転倒や、外が明るいと思って出てしまうケースもあります。人感センサー付きのライトを玄関や廊下に設置することで、夜中に動き出したことに気づきやすくなります。

センサーライトは1,000〜3,000円程度で購入でき、取り付けも簡単です。介護保険の対象外ですが、比較的安価に揃えられます。

オーム電機 LEDセンサーライト(Amazon)

「安全を守ること」と「その人らしい生活」のバランス

グループホームに入居されたとき、私は複雑な気持ちを抱えました。安全は守られる。でも、自由に外を歩くことはできなくなる。

認知症の徘徊は「問題行動」ではなく、その方なりの理由がある行動です。自宅での生活を続けながら安全を確保するために、グッズと公的支援を組み合わせて、できる限り本人の生活の質を守ることが大切だと思っています。

💡 大切にしたい視点
・徘徊は「問題行動」ではなく「その人なりの意味がある行動」
・安全確保と自由のバランスを考える
・家族だけで抱え込まず、地域・専門職と一緒に考える
・限界を感じたら施設への移行も「逃げ」ではない


まとめ——一人で抱え込まないで

認知症の徘徊は、家族だけで解決しようとすると必ず限界が来ます。私が担当したご家族がそうだったように。

まずは地域の支援の仕組みに登録すること、ケアマネジャーに相談すること。そのうえでGPSやセンサーを組み合わせることで、家族の負担をぐっと減らすことができます。

「もう少し早くこの情報を知っていれば」と思う家族が一人でも減るように、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

📌 今日からできること
①自治体の徘徊SOSネットワークに事前登録する
②ケアマネジャーに徘徊対策の相談をする
③GPS端末・徘徊検知センサーの導入を検討する
④一人で抱え込まず、地域・専門職を頼る

認知症の中期症状への備えについては認知症中期に備えるグッズと環境整備、親の一人暮らしが心配な方には高齢者向け見守りカメラおすすめ3選、離れて暮らしながら介護する方は遠距離介護を成功させる方法もあわせてご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次