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「実家のお墓、この先どうしよう」。遠くてなかなか行けない、継ぐ人がいない、親ともまだ話せていない。気になってはいても、何から始めればいいのかわからないまま、つい後回しになっている方も少なくありません。
後回しになるのは、手続きが多くて先が見えにくいからでもあります。全体の流れと費用の目安がわかるだけでも、「いざというときはこう進めればいい」と少し気持ちが軽くなると思います。
この記事では、墓じまいの手続きと費用、遺骨の行き先、親族と揉めないための進め方をまとめました。
そもそも墓じまいとは?今増えている理由
墓じまいとは、お墓を撤去して遺骨を別の場所に移すこと(改葬)です。「お墓をなくす」というより、「管理できる場所に移す」という意味合いが強いです。
近年、墓じまいが増えている背景には以下のような理由があります。
- 少子化による後継者不在
- 地方から都市への移住で管理が難しくなった
- 管理費・交通費などの負担が続く
- 「管理する人がいないから」という理由が最も多い
📋 改葬(お墓の引っ越し)の件数は、令和6年度に約17万6千件。平成26年度の約8万4千件から、10年で倍になっています(総務省の資料。数字は厚生労働省の衛生行政報告例より)。
墓じまいの手続きと流れ(7ステップ)
📋 自治体によって手続きの手間や費用がかなり異なります。早めに居住地の市区町村窓口に確認することをおすすめします。
- 家族・親族への事前説明と合意形成
- 現在のお寺(菩提寺)への相談
- 新しい納骨先(改葬先)を決める
- 市区町村役場で改葬許可申請をする
- お寺で閉眼供養(魂抜き)をしてもらう
- 石材店に墓石の撤去・更地工事を依頼する
- 新しい納骨先に遺骨を納める
💬 友人から聞いたリアルな声
自治体によって必要書類や手続きの手間がまったく違いました。引越し先の自治体と元の自治体の両方に確認が必要で、想像以上に時間がかかりました。
墓じまいの費用相場
閉眼供養(魂抜き)のお布施
- 一般的な相場は3万〜10万円程度。ただし3万〜5万円程度とする説もあり、地域・宗派・お寺との関係性によって差がある
- 出張してもらう場合は、お車代が別途必要になることがある
- 離檀料とは別のもの。ただし寺院によっては離檀料という項目を設けず、閉眼供養のお布施に「これまでの感謝」の意味を含めて、やや多めの金額を提示することがある
- 金額に迷ったら、お寺に直接尋ねるのが確実
墓石撤去・更地工事費用
- 一般的な相場は1㎡あたり10万円前後
- お墓の大きさ・立地・石材店によって大きく異なる
- 山奥や交通の不便な場所は追加費用がかかる場合がある
離檀料について
- 法律上の決まりはなく、お寺によって異なる
- 相場は0〜30万円程度
- 高額を請求された場合は複数のお寺や専門家に相談を
遺骨の行き先をどうするか
お墓を閉じると決めても、「では、取り出した遺骨はどこへ?」というところで手が止まる方は多いと思います。行き先が決まらないと、改葬の手続きも進められません。
墓じまいのあとの行き先としてよく選ばれるのが、永代供養です。永代供養とは、寺院や霊園が遺骨を管理・供養してくれる形式で、継ぐ人がいなくても続けられます。ここでは、永代供養の主な3つに、海洋散骨と手元供養を加えた5つの行き先を紹介します。
合祀墓(ごうしぼ)
- 費用は3万〜30万円程度。5つの中でいちばん費用を抑えられる
- ほかの人の遺骨と一緒に埋葬される
- 一度納骨すると取り出せない場合が多い
費用の負担が軽い一方で、あとから「やはり別の場所に移したい」と考えても戻せないことがあります。家族の中で、その点に納得できるかを話しておくと安心です。
合祀墓の中には、一定の期間は個別に安置して、そのあとで合祀するタイプもあります。すぐにほかの人と一緒になることに抵抗がある場合は、そうした期間があるかを聞いてみるのも1つの方法です。
樹木葬
- 費用は5万〜150万円程度
- 樹木の下に埋葬される自然葬で、個別区画と合祀タイプがある
- 宗教・宗派を問わないところが多い
金額に幅があるのは、1人ずつ区画を持つタイプか、ほかの人と一緒に眠るタイプかで、費用が大きく変わるためです。見学のときは、どちらのタイプなのかを確かめてみてください。
霊園の一角に木や草花を植えた公園のような場所もあれば、山の中に埋葬する場所もあります。お参りに通うことを考えるなら、交通の便も大事なポイントです。
納骨堂
- 費用は5万〜200万円程度
- 屋内の施設で遺骨を管理するので、天候を気にせずお参りしやすい
- アクセスしやすい都市部に多い
- ロッカー型・仏壇型・自動搬送型などがある
遠くのお墓に通えなくなったことが墓じまいのきっかけなら、今住んでいる場所から通いやすい納骨堂は、候補に入りやすい形です。
ただ、年間の管理費がかかる施設や、一定の年数がたつと合祀墓に移される契約もあります。最初に払う金額だけでなく、その後のことも合わせて確認しておくと、あとで慌てずにすみます。
📋 永代供養先は実際に見学してから決めることをおすすめします。資料請求だけでも複数社比較すると安心です。
見学のときは、次のような点を確かめておくと比べやすくなります。
- お参りできる日や時間
- 年間の管理費がかかるかどうか
- 一定の年数のあとに合祀されるかどうか
- 家族が通いやすい場所かどうか
海洋散骨
遺骨を粉状にして、海にまく方法です。お墓を持たないので、その後の管理費はかかりません。お墓から取り出した遺骨を散骨する場合、法律上の改葬許可は必要ないとされていて、ほかのお墓や納骨堂に移す場合とは扱いが違います(総務省 東北管区行政評価局「墓じまいに関する情報収集結果」(PDF))。ただし、墓地の管理者や散骨事業者から書類を求められることがあるので、遺骨を取り出す前に、両方に確認しておくと安心です。
費用の目安や当日の流れは、海洋散骨の費用と流れの記事にまとめています。
手元供養
遺骨の一部を小さな骨つぼやアクセサリーに入れて、自宅で供養する方法です。散骨や合祀墓と組み合わせて、一部だけ手元に残す人もいます。
ここで紹介した5つの行き先は、どれか1つに決めなければいけないものではありません。たとえば、遺骨の多くは合祀墓に納めて、一部を手元供養にする、という組み合わせもあります。費用だけで決めるより、家族がお参りしやすいか、自分たちが納得できるかを大切にして選んでみてください。
📋 費用は業者によって大きく異なります。必ず複数社から見積もりを取ることをおすすめします。一括見積もりサービスを使うと手間が省けます。
親族トラブルを防ぐ方法
墓じまいしようとしたら、普段まったく連絡のなかった親戚から急に反対意見が来て困った。
友人からのエピソード
墓じまいは「先祖を大切にしていない」と受け取られる場合があります。
特に普段疎遠な親族ほど、急に意見を言ってくることがあります。
✅ トラブルを防ぐ3つのポイント
①早めに全員に情報共有する(決定してから伝えない)
②反対意見は否定せず、まず聞く
③決定権を持つキーパーソンを最初に決めておく
墓じまいを考えるきっかけは、親族との関係だけではありません。友人から、こんな話を聞いたことがあります。
💬 友人から聞いた話
親が買ってくれたお墓の管理料をずっと払ってきたけれど、結婚しなかったので、この先お墓を継いでくれる人がいない。墓じまいをしたものの、お寺とのやりとりや離檀料などの手続きが、思っていた以上に大変だった。
「継ぐ人がいない」というのは、家族の形が変わった今、特別な事情ではなくなってきています。誰かが悪いわけではなく、今の暮らしに合わせてお墓のあり方を見直す人が増えている、ということなのかもしれません。
お墓のことは、自分の代で決めなければならない人ほど、ひとりで抱え込みやすい話です。身近な人に「お墓、どうしてる?」と聞いてみるだけでも、同じように迷っている人が意外と近くにいることに気づけるかもしれません。
まとめ
📌 この記事のまとめ
①墓じまいは手続き・費用・親族調整の3つが大変
②自治体によって手続きが異なるので早めに確認を
③親族トラブルを防ぐには早めの情報共有とキーパーソンを決めることが大事
④遺骨の行き先は、お墓だけでなく散骨や手元供養という選択肢もある
実際に山奥にあるお墓と向き合った体験は田舎の山奥にある墓をどうする?50代が直面する墓じまいの現実でも紹介しています。

このブログでは、病院の医療相談員経験をもとに、終活・介護・実家じまいに関する情報を発信しています。気になる記事があればぜひ読んでみてください。


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